BMW グループ、好調な上半期により通期見通しを上方修正
2023 年の販売目標の引き上げ、自動車部門のEBIT マージンの上昇
上半期のグループEBT マージンは12.6%に上昇
上半期の自動車部門のEBIT マージンは10.6%
自動車部門の年初来6 月までの累計フリー・キャッシュ・フローは31 億ユーロ
BMW の完全電気自動車の販売台数が133%増
ツィプセ「変革期の経済的成功」
ミュンヘン発:BMW グループは、2023 年上半期の厳しい環境下で、力強い財務実績および営業実績を達成した。プレミアム・カー・メーカーであるBMW は1~6 月期において、グループのEBT マージン12.6%、自動車部門のEBIT マージン10.6%を達成した。第2 四半期のグループEBT マージンは11.3%(2022 年第2 四半期:11.3%)。自動車部門のEBIT マージンは9.2%に上昇した(2022 年第2 四半期:8.2%)。
以前に特別公告でも報告したとおり、当社は現在、2023 年通年で納車台数の堅調な伸びを計画している(以前は微増)。成長の原動力となるのは、高価格モデルと完全電気自動車である。 BEV モデルは全自動車販売台数の15%を占めると見込まれる。自動車部門のEBIT マージンは9~10.5%(以前は8~10%)の範囲内に収まる見通しである。
「すべての駆動技術において、強力な製品は強力な需要を生み出します。第2 四半期は、私たちが提供する幅広い技術が、いかに顧客の支持を得ているかを明確に示すものとなりました。高効率の内燃機関を搭載した車両の売上が、堅牢な基盤を作っています。そして強力な成長源となっているのが、完全電気自動車の著しい需要増です。私たちは、組織的変革と経済的成功の両方を実現しています。同時に、将来を見据え、集中力と決断力をもって会社の体制を整えつつ、高い収益性も維持しているのです。」と、BMW AG 取締役会長のオリバー・ツィプセは語った。
人気の高いプレミアム・カーを擁するBMW グループにとって、今年上半期、多くの自動車市場の好調な勢いは追い風となった。顧客への納車台数は合計1,214,864 台(2022 年:1,160,094 台/4.7%増)。同期間に販売された電動化モデルの台数は245,468 台と大幅に増加した(2022 年:184,468 台/33.1%増)。完全電気自動車(BEV)の納車台数は152,936 台と倍増(2022 年:75,890 台/101.5%増)。したがって、上半期の販売台数に占めるBEV の割合は12.6%であり(2022 年:6.5%/93.8%増)、第2 四半期は14.1%となった。
今年10 月の、新型i5*の発売をもって、BMW グループは主要なモデル・レンジと3 つのプレミアム・ブランドすべてにおいて、少なくとも1 つの完全電気自動車をラインナップすることになる。2024 年までには、当社の新車の少なくとも5 台に1 台がBEV になり、2025 年までには4 台に1 台となるはずだ。
BMW ブランド、世界のプレミアム・セグメントで再び首位に
上半期に合計1,071,326 台を顧客に納車したBMW グループは、前年同期比5.4%増という堅調な販売台数を記録し、第2 四半期の販売台数も大幅増となった(2022 年上半期:1,016,228 台、2023 年第2 四半期:553,369 台、2022 年第2 四半期:496,432 台/11.5%増)。強力なブランド力と若く魅力的な製品ラインナップにより、BMW は上半期、世界のプレミアム・セグメントで首位に返り咲いた。
BMW ブランドの販売台数の伸びに大きく貢献したのが、完全電気自動車である。合計133,927 台の電気自動車が顧客に納車され、BEV 販売台数は再び、前年同期比2 倍以上を記録した(133.1%増)。最も需要の高いBEV モデルはBMW i4*、BMW iX3*、BMW iX*、そして完全電気自動車の3 シリーズ・セダンBMW i3*である。新たに導入されたBMW iX1*は、発売後わずか数カ月で急勾配の需要曲線を達成した。
ハイエンド・モデルの7 シリーズ、改良新型BMW X7、BMW X5 とX6 のSUV も、販売台数の伸びを牽引。
BMW グループは、2023 年10 月の新型BMW 5 シリーズの市場投入、特に完全電気自動車BMW i5 の発売により、下半期もさらなる勢いが続くと見込んでいる。ドイツ初の自動車メーカーであるBMW グループは、新型BMW 5 シリーズで、ドイツの高速道路で許可されている時速130km までの部分自動運転システムを初めて提供する。このハイウェイ・アシスタントにより、ドライバーは運転中にステアリング・ホイールから手を離すことができる。
MINI、第2 四半期の大幅な売上増を記録
MINI ブランドの2023 年第2 四半期における顧客への納車台数は71,816 台で、前年同期比10.2%増とな った(2023 年上半期:140,357 台、2022 年上半期:140,675 台/0.2%減)。同期間中、BMW ブランドの完全電気自動車の販売台数は8.8%増の伸びを記録した。昨年以来、BMW ブランドで最も人気のあるモデルは、完全電気自動車のMINI Cooper SE*である。MINI の製品ラインナップには、初の完全電気自動車であるMINI Cooper SE Convertible も含まれる。
ロールス・ロイス・モーター・カーズは、2023 年上半期に3,181 台(0.3%減)の販売台数を記録した。同期間中、WRAITH とDAWN の両モデルの生産は段階的に中止され、販売台数は前年並みにとどまった。高い人気を誇る完全電気自動車クーペ、ロールス・ロイスSPECTRE の最初の納車は、2023 年第4 四半期に開始される。
BMW グループ、世界の主要3 地域で売上増
世界の主要3 地域(欧州、米州、アジア)において、BMW グループの上半期6 カ月間の販売台数は微増であった。低迷した前年同期に比べ、各プレミアム・ブランドは第2 四半期に大幅な増益を達成したケースもあった。米州地域と米国は2 桁台の成長率を記録(2023 年上半期:米州:225,645 台/10.2%増、米国: 186,122 台/12.5%増、2023 年第2 四半期:米州:117,790 台/11.5%増、米国:95,948 台/13.6%増)。
欧州では、上半期の販売台数はわずかに増加して449,264 台となった(2022 年上半期:434,235 台/3.5%増)。第2 四半期は232,994 台と堅調な伸びで終了(2022 年第2 四半期:213,842 台/9.0%増)。
アジアでは、上半期の売上高は微増であり、プレミアム・カーの納車台数は合計513,169 台であった(2022年上半期:495,559 台/3.6%増)。中国での販売台数も393,261 台と微増(2022 上半期:379,524 台/3.6%増)。これは、第1 四半期にはまだコロナウイルスの大流行による影響が残っていたためである。第2四半期には、中国での顧客への納車台数は198,161 台と大幅に増加した(2022 年第2 四半期:170,571台/16.2%増)。アジア地域も売上を大幅に伸ばし、販売台数は261,242 台に達した(2022 年第2 四半期:230,494 台/13.3%増)。
前年度のBBA の完全連結が比較基準に影響
2023 年上半期までに、BBA の業績は完全かつ一律に組み込まれた。前年同期では、この対象となるのは2022年2 月11 月以降のみであった。前年との比較ではこの件を考慮する必要がある。
BBA の完全連結に伴い、グループ利益は前年同期比で大幅に増加
グループ利益は上半期に740 億7,200 万ユーロと大幅に増加し(2022 年上半期:659 億1,200 万ユーロ/12.4%増)、第2 四半期は堅調な伸びで372 億1,900 万ユーロとなった(2022 年第2 四半期:347 億7,000 万ユーロ/7.0%増)。BMW Brilliance Automotive Ltd.(BBA)の事業を自動車部門に完全統合したことに加え、販売台数の増加、製品ミックスの効果も収益増に貢献した。BMW グループは、新車および中古車市場における堅調な価格設定からも引き続き恩恵を受けた。為替換算の影響による逆風、製造コストの上昇、原材料費の上昇が、すべて売上原価の上昇に寄与している。
上半期のグループ研究開発費は総額33 億9600 万ユーロとなり(2022 年上半期:29 億4200 万ユーロ/15.4%増、2023 年第2 四半期:18 億4200 万ユーロ、2022 年第2 四半期:15 億5100 万ユーロ/18.8%増)、前年同期を大幅に上回った。支出は主に、車両のさらなる電動化とデジタル化、そして自動運転に集中した。
研究開発費の割合(ドイツ商法に基づく)は上半期で4.6%(2022 年度上半期:4.5%)、第2 四半期で4.9%であった(2022 年第2 四半期:4.5%)。
BMW グループの資本支出は32 億3,100 万ユーロと大幅に増加した(2022 年度上半期:29 億2,900 万ユ ーロ/10.3%増)。第2 四半期の資本支出は19 億300 万ユーロで、電動化の加速とデジタル化関連に重点が置かれた(2022 年:10 億9,800 万ユーロ/20.9%増)。
上半期の設備投資比率は4.4%であり(2022 年度上半期:4.4%)、第2 四半期は5.1%であった(2022 年第2 四半期:5.3%)。通年の同比率は6%前後になると予想される。
財務成績およびグループ利益の低下は前年度の一時的な影響を反映
BBA の完全連結による一時的な影響により(主に、以前保有していた株式の再評価による77 億ユーロの一過性の利益)、BMW グループの財務成績、グループ利益、グループ純利益はすべて、2022 年上半期に大幅に増加した。このベース効果により、2023 年上半期の主要数値は大幅に低下している。その結果、報告期間における財務成績は3 億6,700 万ユーロ減となった(2022 年:93 億3,900 万ユーロ)。
上半期のグループ税引前利益(EBT)は合計93 億5,100 万ユーロであったものの(2022 年上半期:161億5,600 万ユーロ/42.1%減)、第2 四半期は42 億2,200 万ユーロと堅調な伸びを示した(2022 年第2 四半期:39 億2,900 万ユーロ/7.5%増)。2023 年上半期のグループEBT マージンは12.6%(2022 年上半期:24.5%)、第2 四半期は11.3%であった(2022 年第2 四半期:11.3%)。グループ純利益は66 億2,000万ユーロとなった(2022 年:132 億3,200 万ユーロ/50.0%減、2023 年第2 四半期:29 億5,800 万ユ ーロ、2022 年第2 四半期:30 億4,700 万ユーロ/2.9%減)。主な影響要因は、前年に比べ税率が上昇したことである。前年のBMW Brilliance の完全連結に続き、現在までに保有するBBA 株式の再評価による非課税利益により、税率への影響が緩和された。
自動車部門の主要な財務数値の上昇
自動車部門の上半期の売上高は、628 億9,800 万ユーロと大幅に増加した(2022 年上半期:567 億4,100万ユーロ/10.9%増、2023 年第2 四半期:316 億3,000 万ユーロ、2022 年第2 四半期:300 億1,500万ユーロ/5.4%増)。BBA の完全連結に加え、納車台数の増加と製品ミックスの効果も収益を押し上げた。第2 四半期は、為替変動の逆風、原材料費の上昇、保証費用の増加がすべてマイナスの影響を及ぼした。
上半期の決算前利益(EBIT)は66 億7,500 万ユーロに達した(2022 年上半期:48 億3,000 万ユーロ/38.2%増、2023 年第2 四半期:28 億9,800 万ユーロ、2022 年第2 四半期:24 億6,300 万ユーロ/17.7%増)。自動車部門の好調な業績は、EBIT マージンが前年同期比増となる10.6%を記録したことによって裏付けられた(2022 年:8.5%)。この数値は第2 四半期では9.2%となる(2022 年第2 四半期:8.2%)。
「当社製品に対する継続的な需要と、中核部門の好調な業績は、当社が実行可能な戦略を立てていることの証明です。堅固な財務基盤に基づき、私たちは的を絞ったやり方で電動化を強化しています。当社のBEV に対する旺盛な需要を踏まえ、当社はe-モビリティの世界的な拡大に向けて、当初の計画以上の投資を行っています。持続可能な収益性と卓越した事業運営によって、将来のプロジェクトへの計画的な投資の基盤が確立し、BMW グループの長期的な強化につながります」経営委員会の財務担当メンバーであるヴァルター・メルトルは、このように述べている。
自動車部門の税引前利益の合計は、上半期が65 億6,800 万ユーロ(2022 年上半期:129 億4,600 万ユーロ/49.3%減)、第2 四半期が27 億4,000 万ユーロとなった(2022 年第2 四半期:25 億2,600 万ユーロ/8.5%増)。
堅調な収益性により、自動車部門のフリー・キャッシュ・フローは半期ベースで31 億4,100 万ユーロとな った(2022 年上半期:77 億7,000 万ユーロ/59.6%減)。前年の数値には、BMW Brilliance の完全連結による約50 億ユーロの一時的なプラス効果が含まれる。第2 四半期は11 億6,000 万ユーロとなった(2022年第2 四半期:29 億5,400 万ユーロ/60.7%減)。
第2 四半期は11 億6,000 万ユーロとなった(2022 年第2 四半期:29 億5,400 万ユーロ/60.7%減)。世界的な需要の高さから、市場への必要な車両供給を確保するために在庫が増加した。加えて、電動モビリテ ィへの移行に向けた投資の増加がフリー・キャッシュ・フローに影響を与えた。これら2 つの効果を考慮すると、2023 年通年のフリー・キャッシュフローは60 億ユーロを上回ると予想される。
自社株買い:BMW AG、株式資本の3.63%に相当する株式を消却
20 億ユーロを上限とする最初の自社株買いプログラムの終了後、BMW グループは24,001,001 株の自己株式(普通株式22,199,529 株および優先株式1,923,871 株)を取得・消却した。保有株式は、決議時点の株式資本の3.63%に相当する。2023 年7 月3 日に20 億ユーロを上限とする追加的な自社株買いプログラムが開始され、2025 年12 月31 日までに終了する予定である。BMW グループの好調な営業実績は、強固な バランスシートと健全なフリー・キャッシュ・フローをもたらし、自社株買い活動を継続するための基盤となっている。
ファイナンシャル・サービス部門は好調な業績を達成
BMW グループ・ファイナンシャル・サービスの金融およびリース事業は、2023 年上半期も引き続き激しい競争に直面した。当部門は特に、多くの市場における高金利の継続やインフレに伴う物価上昇など、マクロ経済的要因による影響を被った。
一方、自動車部門の価格上昇と製品ミックスの改善により、報告期間中の1 台当たりの平均融資額は増加した。リテール顧客との新規契約高は6 カ月時点で267 億9,700 万ユーロであった(2022 年上半期:284億4,200 万ユーロ/5.8%減)。
BMW グループの新車のうち、ファイナンシャル・サービス部門がリースまたは融資した車両の割合は、上半期末の時点で37.5%となった(2022 年上半期:44.4%/6.9%ポイント減)。
ファイナンシャル・サービス部門の税引前利益は、2023 年上半期に17 億400 万ユーロを計上した(2022年上半期:19 億8,100 万ユーロ/14.0%減、2023 年度第2 四半期:7 億5,900 万ユーロ、2022 年度第2 四半期:9 億7,400 万ユーロ/22.1%減)。
中古車市場の好況により、リース終了車両の販売による高収益が引き続き保証された。これは、0.15%という一貫して低水準の貸倒率と相まって、同部門の業績にプラスの影響を及ぼした。
モーターサイクル部門、100 周年記念の年に販売台数と利益率で過去最高を記録
モーターサイクル部門は、創業100 周年の上半期に過去最高を記録した。BMW Motorrad によるBMW のモ ーターサイクルおよびスクーターの合計販売台数は112,871 台となる(2022 年上半期:107,555 台/4.9%増、2023 年第2 四半期:64,936 台、2022 年第2 四半期:60,152 台/8.0%増)。Power Roadster M 1000 R のような新モデルを含む、魅力的な製品ラインナップは、この部門の成長戦略が成功していることを裏付けている
同部門の好調な業績が、財務上の主要数値の大幅な上昇につながった。売上高は19 億2,100 万ユーロに上昇し(2022 年上半期:16 億6,300 万ユーロ/15.5%増、2023 年第2 四半期:9 億8,800 万ユーロ、2022年第2 四半期:8 億6,400 万ユーロ/14.4%増)、同部門のEBIT は32.8%増の3 億1,200 万ユーロとなった(2022 年上半期:2 億3,500 万ユーロ、2023 年第2 四半期:1 億5,800 万ユーロ、2022 年第2 四半期:1 億2,700 万ユーロ/24.4%増)。EBIT マージンは16.2%に改善した(2022 年上半期:14.1%/2.1%ポイント増、2023 年第2 四半期:16.0%、2022 年第2 四半期:14.7%/1.3%ポイント増)。
BMW グループ、見通しを上方修正
上半期におけるBMWグループの関連自動車市場の回復に基づき、2023年通年でも良好な業績が見込まれる。
欧州では今年、市場全体が成長すると予測されている。
米国では好調な販売状況が続くと予想され、中国の自動車市場も年内に若干の成長が見込まれる。
先日の特別広告で報告したように、BMW グループは通年のガイダンスを上方修正している。予想される車両在庫の改善、継続的な受注残高の好調さ、そして全体的に良好な販売台数の伸びにより、BMW グループは現 在、世界中の顧客への納車台数が2023 年も堅調な伸びを示すと計画している。
上記の数量調整と良好な価格状況を考慮した結果、BMW グループは自動車部門のEBIT マージンが通期で9~10.5%の範囲内に収まるものと予想している(以前は8~10%)。
BMW グループは、インフレとサプライ・チェーンによるサプライヤーへの経費増が、下半期も引き続き逆風になると予想している。しかし、モーターサイクル部門の販売台数は若干増加すると予想され、EBIT マージンは8~10%の目標範囲内に収まる見通しである。ファイナンシャル・サービス部門の自己資本利益率(RoE)は16~19%を見込んでいる(以前は14~17%)。グループの税引前利益は大幅な減少が見込まれる。
これらの目標は、従業員数が若干増加しても達成されるだろう。ただし、地政学的およびマクロ経済的な状況が大幅に悪化しないことが基本的な前提である。このガイダンスでは、BMW グループの主要販売市場における深刻な景気後退の可能性や、ロシアとウクライナの紛争がさらに激化し、戦火が拡大する可能性は考慮していない。
BMW グループは戦略的な方針を維持している。イノベーションと卓越した経営能力により、世界のプレミアム・セグメントにおける主導的地位を固め、持続可能で収益性の高い成長を推進している。
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